小田原かなごてファームの経営理念
ブログをほとんど非公開にしてしまったので、
私がなぜ、みんな電力さんを選択しているのか?
ということについて、そして、また、私の事業にかける理念、思いを書きたいと思います。
少し長いです。
これ、出版を計画している本の原稿にもなると思います(笑)。
小田原かなごてファーとして、わざわざ「みんな電力さん」を名宛人に選択しているのです。
なぜ、数ある電力会社からわざわざみんな電力さんにしたのか?
そこには、当然ながら「思い」があります。
人だって、好きでもない人と結婚なんてしませんよね?(その後、こんなはずじゃなかったとか、尻に敷かれているとかそういうことはあるかとは思いますが(爆笑)。
私たちは、自然エネルギーを作っています。食べ物を作るのと同じように、電気にも「思い」を込めて作っています。
見えない、形がない、においもしない電気だからこそ、逆に思いを込めているのです。
見えない電気を見えるように
形のないものを形があるようにする
そういうプロセスがどうしても必要になると思います。
私は、本格的に自然エネルギーの問題に取り組み始めたのは、3.11です。
原発については、色々と考えの隔たりはあるでしょう。
しかし、頼らなくてもいい、という、具体的なものがあれば、頼らなくていい、という人がほとんどじゃないでしょうか?
私は、事故を目の当たりにした人間として、どうしても原発ゼロの社会を作っていきたい。
その為には、反対運動をするのではなく、具体的な実践を小さくてもいいから作っていく事にこそ力を注ぐべきである。
そういう思いで電気を作っています。
そして、また、我が国の国土を見渡した時、ふるさとの景色、「うさぎ追いし かのやま」がどんどん荒廃している。
そんな状況に心を痛めています。
国土の根幹を形成してきたのは「農」的な空間だったと思います。そこから、地域の歴史、伝統、風土、風習が形成されたと思っています。
そうしたそれぞれに魅力的な地域の集合体が日本という国であるならば
農的空間が崩壊することは、地域が崩壊する事であり、国が崩壊することである
そういう危機感を私はもっています。
残念ながら、多くの地域で、農業は絶滅危惧種産業となっています。
農家が、息子に農業を継承せず、農業学校の先生が生徒に「農家にはなるな」と言ってしまう時代なのです。
全国の耕作放棄地は40万ヘクタールを超えています。耕作地の1割以上が耕作放棄地なのです。
小田原でも耕作放棄地は177.9ヘクタール。農家の平均年齢は68歳を超え農家の人口は136万人になりました。
私が始めたころは300万人が200万になって大問題といっていたのに、今は、100万人を切る。
そういう衝撃的な数字が農業の現状です。
一方、食料自給率はカロリーベースですが37%。
この国は、食料自給率向上に必要な農地をぶっ潰して、今や10件に一軒は空き家なのに、
宅地を造成しているという愚かなことを経済の循環と称してやっているのです。
まさに「今だけ、金だけ、自分だけ」の経済なのです。
そうした、負のスパイラルを変えたい。
農業とエネルギーを組合わせるソーラーシェアリングに取り組んだのは、そういう思いからなのです。
19歳と22歳の学生がソーラーシェアリングを見に来てくれました。
彼女たちもまた、fridays for future japanという気候変動に危機感を持つ学生団体の活動をしている学生さんたちなのです。
このイベントの帰りに寄ってくれました。
そうした、思いをかたちに変えてくれる存在。そして、価値を見出し、少しでも高い価値を、
との思いで取り組んでくれる存在。
それが、みんな電力さんなのです。
みんな電力さんに私たちは電気を卸しています。
みんな電力さんは、みんな電力さんから電気を買っている顧客さんが支払う電気料金がありますが、
その電気料金から100円分を、お客様が応援したいと思う発電所に寄付することが出来る仕組みがあります。
つまり、僕たちは、電気をみんな電力さんに買ってもらって、そして、+αとして、100円の応援金をもらえるのです。
なんだ、たった100円か?そう思うかもしれませんが、驚くなかれ。
まさに、塵も積もれば山となるですが、私たちの「おひるねみかん発電所」は「応援したい」というお客様がな、なんと430名程度いるのです。
ということは、電気購入量+43000円が入ってくるんです。毎月ですよ。
そして、もう一つ、みんな電力さんにはスペシャルな仕組みがあります。
世界で初めて、ブロックチェーンを活用したトラッキング技術です。
私も詳しくは仕組みはわかりません(笑)わかりませんが、簡単に言うと、
「小山田が作っている電気をうちで利用したいよ」
というニーズがあると、
「わかりました」
といって
電気を紐づけして、小山田が作っている電気を〇〇会社では使っている
ということが出来ます。
そうして、こうやって紐づけがされると
小田原かなごてファームには紐づけされた数字に応じてさらにお金が入るのです。
紐づけ結果は、会社にこんな感じで通知されます。
つまり、私たち小田原かなごてファームおひるねみかん発電所はみんな電力さんから
電気購入量+一人100円の応援金+トラッキング料金
というお金得ることが出来るのです。
これってすごくないですか?
私たちが作る電気を「単なる太陽光発電の電気」と捉えず、
お金という価値をいくつかの仕組みを使ってさらに付与しようとしてくれているのです。
私たちはプライドをもって電気を作っています。
だからこそ、少しでもその電気の価値をわかってくれるところに電気を卸したい。
そう思うのは人情です。
ちなみに、私たちの電気は、
日本YWCAさん、
井上酒造さん、
アイジャストさん、
スターバックスさん
に使ってもらっています。
みんな電力の大石社長とは、私は2014年くらいには一度お会いしています。
ですが、その時は、ほとんど話もせず、また、大石さんの話もちゃんと聞きませんでした。
その後、長浜でイベントがあった時に、私もそこにいて、初めて大石社長の話を聞いて
大石社長におひるねみかんジュースをプレゼント
電気に思いを込める
というような話に感動して、いずれ、一緒に仕事をしたいと思うようになりました。
それが2015年か2016年くらいだったと思います。
本格的にみんな電力さんと連携するようになったのは2019年くらいからです。
念ずれば通ずといいますが、時間がたっても思えば通じるものです(まあ、通じない時もありますが)。
ついでに言うと、
小泉純一郎元総理とも「いつか、一緒にイベントをしたい、お会いしてみたい」と実は私は学生時代の時から思っていました。
私たち世代にとって小泉元総理は「憧れ」の対象でもありました。一番、印象深い総理大臣でした。
5年5か月も総理をやっていた人って、小泉さん迄は、私の記憶にはなかったのです。
みんな長くても2年半位で総理は変わっていましたから。
自民党をぶっ壊す
痛みに耐えて
恐れず ひるまず、とらわれず
人生いろいろ。会社もいろいろ、社員もいろいろ
郵政解散
とにかく、印象深い言葉と存在を残した総理でした。
小泉劇場は見ていて楽しかったです。
郵政解散の時のくノ一候補の筆頭が、現東京都知事の小池百合子さんですからね。
そういう人と15年かかりましたけれど、ご縁を頂き、ちゃんと小泉純一郎講演会というものを仕切らせてもらって、小田原で開催し、
その後は、折に触れてお会いをさせてもらっています。
小泉元総理と青森に。中川秀直元幹事長、吉原城南信金元理事長らと
小泉さんが、いわなくたって、もう、あれだけの実績を残した総理大臣ですからね余生を過ごせたのに、
突然
原発ゼロ
といって、小泉さんって、講演って、謝礼なしですからね。一切、無報酬でやっているんですよ。
そういうことまでして「原発ゼロ」を訴える姿を見て、自分は、若者として、
この小泉さんの思いにこたえなきゃいけないな、
というのもあって、今の活動のモチベーションにもなっているのです。
私たちの電気は
原発ゼロ・自然エネルギー100%社会
を作りたい。
日本の農業の問題を解決して、次の世代に、少しでもいい形でバトンを渡していきたい
耕作放棄地=おひるねしている畑の問題を解消し、農家が持続可能であり、農業が持続可能な産業となることで、地域が活性化してほしい。
そんな思いで取り組んでいるのです。
そして、もう一つ。
それは経済です。
私が、普通の環境大好き人間、とか、農家とは違うのは
経済を語るからだと思います。
日本は油代として毎年20兆円以上のお金をアラブの王様に貢いでいます。
地域やわが国で稼いだ国富を流失するというなら、これ程ひどい国富の流失はありません。
小田原でも毎年185.5億円の域外支出があります。
エネルギーを自給する事が出来れば、つまり、エネルギー自給率を高めるために再生可能エネルギーを小田原で自前で作れば、
それだけ、外に流れるお金を食い止めることが出来ます。一割でも食い止めれば、一割に相当する電気を小田原で作れば、18億円の原資が調達できるのです。
それを再投資すれば、地域でお金が回り、地域で雇用が生まれ、地域で新しい産業が創出されるのです。
そういう実践の意味で、私はソーラーシェアリングを創っています。
農業を行い、エネルギーをつくり、そして、そのエネルギーを自分で運営する地産地消農家カフェSIESTAに供給する。
増山麗奈さんと。彼女もまた、この国を変える素晴らしい人です。
つまり、電気も食べ物も自給するという、近未来の姿をささやかではあっても実践し、見せています。
原発事故もそうですし、コロナもそうですが、人間の生存に必要な
水、食料、エネルギー
そういったものを、あまりにも過度に外部に依存した社会が極めていびつであった、ということを突き付けられたのだと。
効率性や合理性を求めれば、コストの安い海外で作るほうが安い。電気も一極集中で、巨大な送電網で大都市に送るということがいい、とされた。
でも、福島でそうやって大量の原発を動かして作られた電気の1キロワットも福島では使われていない。
そして、事故が起これば故郷を奪われるという状況。
福島の被災した若者、幸希くんとも交流しています。
その記事がYahoo!で配信され、アクセスランキングでなんと二位でした。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20210714-00247825/
そんなこともあって今度、幸希君とこんなイベントを増山さんとやります。
8月22日ソーラーシェアリングを知り尽くそう! (peraichi.com)
よろしければ。
今の経済は、人を踏みつけにして、人の不幸を前提に、一部の人たちの享楽や充足を満たす経済であり社会なのです。
そうでない社会を作るには、では、どうするべきか?
『地域で自給できるものを自給するということをとことん追求する』
全ては自給できなくても、つながりを再生産し、足らないものを融通しあう社会。その中で、生存に必要な
食べ物(Food)
エネルギー
ケア(Care)
を自給し
お金
を自給(地域でまわしていく)
という
【FEC+M自給圏】
これを目指していく事が極めて重要なことなのです。
そして、これは、確実に、ほぼ、絶対的に地域、地方を強くしていくのです。
しなやかで、魅力的な地域を地方を作るためには
地域で自給できるものを自給することをとことん追求する政策をあらゆる分野の根幹において取り組んでいく
それが一番だと私は自信を持って言えます。
東京にないものが地方にはあるじゃないですか?
一度、効率かつ合理的な仕組みがとまると、とても、動きにくいじゃないですか?
その時に、そことは一線を隠せるのが、地域の自給力なのです。
地域の自給力がない地方は、ミニ東京ですから、残念ながら、東京と運命共同体になってしまいます。
東京と対等に渡り合う為にも、地域の自給力を高めていく。
それが、レジリエンスにも資するのだということは、私が実践してきたひとつの結論です。
そういう、価値観、理念、思いを共有するために
農家カフェSIESTAは開店しました。
小田原市栢山曽比は近代農業の祖ともいわれる二宮金次郎にゆかりのある場所で、
まさに新しい農業の形であるソーラーシェアリングの自家消費モデルをつくり、
そこで出来た電気を農家カフェSIESTAに供給する仕組みを作りました。オフサイト型自家消費モデルといいます。
食べ物は、自分で作った作物や、ジュースを提供し、
提携する農家さんから安心安全な食材を仕入れ、提供。電気を自給するので、
CO2を一切出さない空間を提供するということはまさに
脱炭素
SDGS
の飲食店ということが言えるのです。
自分たちで作った電気と米を井上酒造さんに届け、電気の分野では一切CO2出していない、究極のエシカル商品である
日本酒推譲
SDGSの12番に作る責任、使う責任、という項目がありますが、まさに、これからは、
作り手も二酸化炭素を出さない、地球環境に負荷をかけないで製品を作ろう。
消費者もそういう商品こそ、スマートでファッショナブルだと思ってもらえるような社会が
当たり前になるように。
そんな願いを込めて作られたのがこの日本酒で
そして、この日本酒づくりもみんな電力さんのトラッキング技術がなしえたこととも言えます。
みんな電力の長島さんも。加藤憲一前小田原市長は私に今日の歩むべき道の原点を教えてもらったような立場の人です。
私には、それ以上の立場の尊敬すべき、人生の師ともいうべき存在がいますが、それは省略します。
井上酒造の井上社長は極めてリベラルで開明的な方です。
老舗の造り酒屋さんの社長とは思えない懐の深さを持っている素晴らしい大人だと思っています。
お米は自然栽培といって、農薬や除草剤や肥料を全く使いません。そういう意味でもCO2フリーです。
まさに、世界に二つとない商品です。
今までの社会構造では出来なかったことを、
小田原かなごてファームおひるねみかん発電所だけでなく、
様々なステークホルダーと連携して社会を変えていきたい。
そして、社会は必ず変えられる。
そう思っているのです。
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