目指すべき「この国のかたち」FEC+M自給圏

query_builder 2021/02/18
ブログ
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地域で再生可能エネルギーを導入する意義の一つとして経済的な側面からの効能があげられる。

 

東日本大震災があるまで、環境と経済は両立しないものという考えが大勢を占めていた。

 

しかし、現在は、企業も含めて、環境の取組を意識しなければ自社の売上はもちろんの事、経済活動を営めない

 

という事態になっている。

 

RE100に日本でも50社ほどの企業が名乗りをあげているが

 

アップル社などは自社の製品は全て自然エネルギーで作られていることを新たなる価値として提供している。

 

つまり、アップル社のサプライチェーンに入りたいと思えば、再生可能エネルギー由来の、一切CO2を出さないクリーンなエネルギーで部品を作らなければならないという時代に突入したともいえる。

 

このような動きは何もグローバルな動きだけではない。地域の中でも、エシカル(倫理的な)消費を見越して、自社の製品を一切CO2を出さないで作ってみようという動きが始まっている。

 

神奈川県大井町にある井上酒造株式会社は創業230年の老舗酒造メーカーである。銘柄”箱根山”は恐らく箱根では一番飲まれている日本酒であろう。

 

 

その日本酒造りに使われるエネルギーをみんな電力株式会社が提供する再生可能エネルギー由来の電気を使うことで自然エネルギー100%を達成した。

 

 

同時に、合同会社小田原かなごてファームが手掛けるおひるねみかん桑原発電所の電気を紐づけして使うことで、地域の太陽光発電所から作られる再生可能エネルギーを使うことにも取り組んでいる。

 

また井上酒造では、そのソーラーシェアリングで出来たお米キヌヒカリを使って一切CO2を出さない日本酒”推譲”をかなごてファームと共同して制作した。

推譲とは小田原の偉人、二宮金次郎が唱えた概念である。

 

これからは日本酒という嗜好品もCO2を一切出さないことが消費の選択の判断に際して当たり前のようになっていく。まさにエシカル志向であり、SDGS(持続可能な開発目標)の作る責任、使う責任にも資する動きとなるであろう。

 

合同会社小田原かなごてファームでは、また、ソーラーシェアリングで出来た再生可能エネルギーを送電線を活用して自社が運営する農家カフェSIESTAに自家消費させる仕組みを導入している。

 

FITに一切頼らないこの仕組みはCO2を一切出さない発電として脱炭素社会に貢献する仕組みである。

 

食べ物やエネルギーを人間の生存に不可欠なもの、と捉えて、その自給を目指していく。食エネ自給、食エネの地産地消という観点はこれからの地域社会にも、地球社会にも必要な概念であると考える。

 

そうした動きを地域経済、という観点から見た時、これはものすごく大きな経済的インパクトをもたらすであろう。便利で豊かな暮らしを担保するために日本は、域外にその多くの資源を依存するという社会になっている。

 

化石燃料の多くを中東に依存し、その金額は年間20兆円をこえている。2015年の未来カルテの数字によれば南足柄市、開成町、松田町の合計のエネルギー支出は76億円である。

 

毎年76億円のお金がエネルギーの購入のために域外に流失しているのである。

 

私たちが生産した富が域外に流れてしまう状況は不正常といって過言ではないだろう。その1割でも2割でも地域内で自給し、外に流失するお金を食い止め、そのお金を地域内で廻すことで乗数効果をもたらす。

 

そういった意味でも再生可能エネルギーは地域にある自然資本を効果的に使う原価ゼロのエネルギーの創出であることに鑑みエネルギーを作り、域外流失を食い止めて地域でお金を廻す意味でエネルギーの自給を高めていく必要がある。そのことは地域経済活性化と相まって、世界の脱炭素化という流れに地域から大きく貢献することとなる。

 

 

今から10年前の東日本大震災と原発事故の時もそうであったし、コロナ渦の世界や日本の状況もそうであるが、人間の生存に必要なものを過度に外に求めすぎた効率的・合理的といわれた社会が極めていびつであったことは今回の混乱を見れば一目瞭然である。

 

日本ではマスクの製造も、ワクチンの製造も自国で行うことは出来ないのである。

 

人間の生存に最低限必要な水、食料、エネルギーを自前の地域で、顔の見える関係で繋がりのネットワークを駆使して自給できるものは自給するとを志向するという「自給圏」構想が今ほど必要なときはないのではないか?

 

私は、それをフード、エネルギー、ケア、マネーの頭文字をとり”FEC+M自給圏”と呼んでいるが

 

そうしたFEC+M自給圏の実践をとこんと追求し現実を具体的に作っていく。

 

そのほうが、地域が地域としての特性なり特質を生き生きと活かし、しなやかで魅力的な地域となると確信している。

 

それは、まさにレジリエント(強靭な)地域を作っていくということに繋がるのである。

 

先に紹介した推譲とは、足るを知る、という大前提をベースに、得た利益があるならば、それを自分自身の将来のためと、広く社会の為に利活用しよう、という意味である。

 

人類は自らの際限のない欲求を満たすため、限りある地域・地球の資源を使い続けた。

 

今、世界的に問題になっている気候危機や食糧危機、コロナウイルスの問題も”足るを知る”を忘れて文明を謳歌した人間に対する地球からの警告であると思う。

 

耕作放棄地や鳥獣害の問題といった地域の課題を解決することも、こうした地球規模の課題を解決することも、根は、持続可能な社会をどう構築し得ていくか?という点で同じである。

 

グローバルな問題を解決することはローカルな問題の解決を図っていく事で解決を目指す。

 

その際に大切なことは、地域の様々な主体が連携し、支えあい、わかちあいの精神で

 

人間の生存にとって必要不可欠な水、食料、エネルギーの自給をとことん目指す視点を追求することである。

 

そうして追求して残ったものは未来のために残し、譲っていくという思考が必要なのだと。

 

それこそが二宮尊徳が荒廃する農村を600か所にわたって復興した末にたどり着いた哲学であり、

 

今の時代に必要な概念。

 

それが”推譲”でもある。

 

だから、日本酒にこの言葉を刻んだのである。

 




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